投資信託を選ぶときに「信託報酬が低いものを選ぼう」とよく言われます。
でも、信託報酬の請求書が届くことはありません。いつ、どうやって払っているのか、分かりにくい手数料です。
この記事では、信託報酬が払われている仕組みと、長く持つほど差が大きくなる理由を説明します。
信託報酬は、ファンドの資産から毎日少しずつ差し引かれ、基準価額にすでに反映されています。払っている実感がないまま、長く持つほど差が大きくなる手数料です。
この記事で分かること
- 投資信託にかかる3つの手数料
- 信託報酬が「見えないところ」で払われている仕組み
- 信託報酬の差が、長期でどれくらいの差になるか
投資信託にかかる3つの手数料
- 購入時手数料
-
買うときに、販売会社(証券会社や銀行)に払う手数料。かからない商品も多い
- 信託報酬(運用管理費用)
-
持っている間ずっとかかる手数料。年率で決まっている
- 信託財産留保額
-
売るときなどに差し引かれるお金。販売会社ではなく、ファンドに残される
このうち、持っている間ずっとかかるのは信託報酬だけです。
購入時手数料と信託財産留保額は、買うときや売るときの1回だけですが、信託報酬は持ち続けるかぎり毎年かかります。
信託報酬は「毎日」差し引かれている
信託報酬は年率(例:年0.1%)で決まっていますが、年に1回まとめて払うわけではありません。
ファンドの資産から1日分ずつ差し引かれ、その後の金額で基準価額(投資信託の1口あたりの値段)が計算されます。(出典:投資信託協会)

毎日見ている基準価額は、信託報酬を払ったあとの値段です。
そのため、別に請求されることはなく、払っている実感もありません。
お財布から直接出ていくんじゃなくて、ファンドの中から自動で引かれているんだ。
差し引かれた信託報酬は、投資信託に関わる3つの会社に分けて支払われます。
| 受け取る会社 | 受け取る分の呼び方 | 何の対価か |
|---|---|---|
| 運用会社 | 委託者報酬 | 何に投資するかを決めて運用する |
| 販売会社(証券会社・銀行) | 代行手数料 | 運用報告書を届けるなど、購入後の対応 |
| 信託銀行 | 受託者報酬 | ファンドの資産を保管・管理する |
信託報酬の差は、長く持つほど大きくなる
信託報酬は「残っている資産に対して」毎年かかります。資産が増えるほど、引かれる金額も増えます。
そのため、わずかな率の差でも、長く持つほど金額の差が広がります。
仮に、100万円を20年間持ち、信託報酬を引く前の運用成績が毎年4%だったとして計算します。(信託報酬を運用成績から差し引いた、簡略化した計算です)
| 信託報酬(年率) | 20年後の金額(目安) |
|---|---|
| 0.1% | 約215万円 |
| 0.5% | 約199万円 |
| 1.0% | 約181万円 |
| 1.5% | 約164万円 |
※運用成績4%は計算のための仮の数字で、将来の成績を示すものではありません。実際の運用成績は毎年変わり、元本割れすることもあります。
0.1%と1.5%の差は、20年で約50万円。率は小さくても、長く持つと大きな差になるよ。
よくある誤解
誤解「信託報酬が高いほど、成績がいい」
信託報酬が高い商品は、運用に手間をかけている場合があります。でも、手間をかけた分だけ成績が良くなるとは限りません。
信託報酬は、成績が良くても悪くても、必ずかかる費用です。
誤解「信託報酬だけ見ればいい」
信託報酬のほかにも、売買の手数料や監査費用など、ファンドの中で差し引かれる費用があります。
これらを含めた費用は、運用報告書で「総経費率」として確認できます。
つみたて投資枠の商品は、手数料に条件がある
NISAのつみたて投資枠で買える投資信託は、購入時手数料がゼロであることや、信託報酬が一定の水準以下であることなどの条件を満たしたものに限られています。長く持つことを前提に、費用が低く抑えられた商品が選ばれています。(出典:金融庁「つみたて投資枠対象商品」)
投資にはリスクがあり、元本は保証されません。信託報酬が低い商品でも、値下がりすることがあります。
だからどうするか
- 投資信託を選ぶときは、目論見書や販売会社のページで信託報酬(運用管理費用)を確認する
- 同じ指数に連動する投資信託なら、信託報酬の低いものから比べる
- すでに持っている投資信託の総経費率を、運用報告書で確認してみる
まとめ
- 投資信託の手数料は、購入時手数料・信託報酬・信託財産留保額の3つ
- 持っている間ずっとかかるのは信託報酬だけ
- 信託報酬は毎日ファンドの資産から差し引かれ、基準価額に反映済み
- 率の差が小さくても、長く持つほど金額の差は大きくなる
参考
※本記事は2026年10月時点の情報です。
投資にはリスクがあり、元本は保証されません。投資信託でも短期的には値下がりすることがあります。当サイトの情報は、特定の金融商品の購入をすすめるものではありません。最終的な投資判断はご自身でお願いします。


