iDeCoは、掛金が所得控除になるなど、税金の優遇が大きい制度です。
その一方で、NISAにはない制限や費用もあります。始めてから「こんなはずじゃなかった」とならないように、注意点を知っておきましょう。
iDeCoの注意点の多くは、「原則60歳まで引き出せない」ことから来ています。老後まで使わないと決められる金額だけを、無理のない掛金で始めましょう。
この記事で分かること
- iDeCoを始める前に知っておきたい6つの注意点
- それぞれの注意点への向き合い方
注意点1:原則60歳まで引き出せない
iDeCoは老後の資金を準備するための制度なので、原則として60歳になるまで引き出せません。(出典:iDeCo公式サイト)
病気や失業、住宅の購入などでお金が必要になっても、iDeCoのお金は使えません。
さらに、60歳までの加入期間が10年に満たない場合は、受け取れる年齢が61歳〜65歳に遅くなります。
iDeCoには、60歳までに使う可能性があるお金を入れないことが大切です。
iDeCoのお金は「老後まで開けられない箱」に入れるイメージ。生活防衛資金とは別に考えよう。
途中で受け取れる例外
一定の障害の状態になった場合や、加入者が亡くなった場合は、60歳より前でも受け取れることがあります。また、国民年金の保険料を免除されている人など、限られた条件にあてはまる人は「脱退一時金」を受け取れる場合があります。ただし、条件は細かく決められていて、自由に引き出せるわけではありません。
注意点2:口座の手数料がかかる
iDeCoは、NISAと違って、口座を持っているだけで手数料がかかります。
| 手数料 | 金額 | いつかかるか |
|---|---|---|
| 加入時の手数料(国民年金基金連合会) | 2,829円 | 加入するとき(1回だけ) |
| 加入中の手数料(国民年金基金連合会) | 105円 → 2027年1月引き落とし分から月120円 | 掛金を払うたび(2027年1月からは毎月) |
| 事務委託先金融機関の手数料 | 金融機関による | 毎月 |
| 運営管理機関の手数料 | 金融機関による(0円のところもある) | 毎月 |
(出典:iDeCo公式サイト、国民年金基金連合会「iDeCo加入者に係る手数料を見直します」)
掛金が少ないほど、手数料の割合が大きくなります。
金融機関(運営管理機関)によって手数料が違うので、申し込む前に比べましょう。
注意点3:掛金の変更は1年に1回
iDeCoの掛金は、月5,000円以上、1,000円単位で決めます。
掛金の金額を変えられるのは、1年(12月分から翌年11月分の掛金の間)に1回だけです。掛金を払うのを止めることは、いつでもできます。(出典:iDeCo公式サイト)
最初から無理な金額にせず、続けられる金額で始めるのが安心です。
注意点4:所得控除のメリットがない人もいる
iDeCoの大きなメリットは、掛金が所得控除になり、所得税と住民税が安くなることです。
そのため、収入がなく税金を払っていない人や、扶養に入っていて所得税がかからない人は、このメリットを受けられません。(出典:iDeCo公式サイト)
税金を払っていない人は、所得控除のメリットがない分、手数料の負担だけが残ることもあるんだ。
注意点5:受け取るときに税金がかかることがある
iDeCoは、受け取るときに「退職所得控除」や「公的年金等控除」が使えます。
ただし、受取額が控除の範囲を超えると税金がかかります。会社の退職金と受け取る時期が近いと、控除が調整されることもあります。
注意点6:運用商品によっては、減ることがある
iDeCoで選べる運用商品には、元本が確保される定期預金・保険と、値動きのある投資信託があります。
投資信託を選んだ場合は、受け取るときに掛金の合計より減っていることもあります。一方、定期預金だけを選ぶと、手数料の分だけ減ってしまうこともあります。
投資信託は元本が保証されません。iDeCoは原則60歳まで引き出せないので、受け取る時期に相場が下がっていても、すぐには取り戻せない場合があります。受け取る時期が近づいたら、値動きの小さい商品に移すなどの考え方もあります。
だからどうするか
- 60歳まで使わないと決められる金額を考える(生活防衛資金とは別に)
- 自分が所得税を払っているか、掛金の上限はいくらかを確認する
- 申し込む金融機関の手数料と、選べる運用商品を比べる
- 続けられる掛金から始める(変更は年1回)
まとめ
- iDeCoは原則60歳まで引き出せない。60歳までに使う可能性のあるお金は入れない
- 口座の手数料がかかり、2027年1月引き落とし分から加入中の手数料が月120円になる
- 掛金の変更は1年に1回。止めることはいつでもできる
- 税金を払っていない人は、所得控除のメリットがない
- 受け取るときに税金がかかることや、運用商品によって減ることもある
参考
- iDeCo公式サイト(国民年金基金連合会)「iDeCoの加入資格・掛金・受取方法等」
- iDeCo公式サイト(国民年金基金連合会)「よくあるご質問」
- 国民年金基金連合会「iDeCo加入者に係る手数料を見直します」
※本記事は2026年10月時点の情報です。
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